by Cosme Kitchen ORGANIC CONCIERGE – J-wave
インソールの本場、ドイツへ
ドイツへちょっと行っていた(留学していた)んですけど、父がやっていることもずっと見てきていたんですが、父は多分自分が行きたかったから、代わりに僕を行かせたんですけど、やっぱり向こうの方はすごい骨格が強いので、あんまり繊細なもの(インソール)を必要としていなくて。ただ文化として、足が悪いと身体も悪くなるという認識があって、保険でインソールが作れたりします。そういう文化に触れられたことは良かったと思いますね。
文化の違い、感覚の違い
どんなものを作っているのかなとか、あと履物の文化ですよね。(ドイツの)履物の歴史も長いですし、ただやっぱり靴売り場の試着スペースが日本とは比べものにならないぐらい大きかったなという印象はあります。歩く路面の状況も違うじゃないですか、だからこう、扱うインソールの厚さも変わってくるだろうし。あと、湿度ですね。この間ロンドンとパリに行ってきたんですが、湿度が大事だと感じました。例えば見る風景もそうですけど、食べ物もそうだし、湿度によって必要な物とかものづくりの感覚がすごい変わってくるなって感じましたね。
出張インソール制作
日本では全国地方を回ってインソールを作らせていただいているんですけれど、今は石川と福岡と行かせていただいていて。出張するようになって10年前ぐらいになります。
面白いですね。やっぱりこうその土地柄で色々、いろんな色もありますし、何しろその土地のご飯が食べられるのもすごい良いし(笑)、勉強にもなりますよね。
オーダーメイドインソール by FOOTWORKS at PHAETON
今回でもう9回目になる{ 次回は 4/21 fri – 24 mon }
土地によって違う、必要なもの
日本の中でもやっぱり北陸だったら北陸の生活の仕方とか。東京だとそんなに車に乗らないですけど、(北陸だと)基本車に乗るじゃないですか。あと、雪も降るしとか。生活の中で選ぶ靴も変わってくるし、インソールの強度もどこが必要なんだとかも勉強になりますし。あと、単純に、短期でいくのですごく集中するので、なんていうんですか、作業が早くなったりとかも・・しますよね(笑)。この機械(下北沢のオフィスに据え置きのグラインダー)も、吸うところが大きいだけで、削る部分はすごく小さいんですよね。だから、削る部分だけでも運べる物があって、先に現地に送っておいて、掃除機をつけて、回して削ったりとか。
手を抜けない、良い仕事
出張制作の場合もお客さんと対面してその場で作るんですけど、例えば何十人のお客さんを受付だけしておいて後から作るのは無理だなと思うので。やっぱりその場でお客さんの足を見て、話を聞きながら、感じながら作っていくのが一番。時間はかかりますけど、やっぱり良いものを作ろうと思ったら、そうじゃなきゃいけないなと思って。たまに外国人の方もいらっしゃるんですけども、やっぱり足が明らかに違いますよね。大きさとか強さが全然違うな、というのはありますね。
Vol.3へ続く
FOOTWORKS
TAKESHI MORI
INTERVIEW
FOOT WORKS
森 健|TAKESHI MORI
アスリートの足の悩みと向き合い続けて30年の熟練で、日本を代表するインソールの第一人者である森 公一を父に持ち、生まれた頃からインソールに触れて育つ。大学卒業後に本場ドイツへ留学し、帰国後に父の元で卓越した技術を磨く。2011年に下北沢にオーダーメイドインソール専門店 FOOTWORKSをオープン。身体のトラブルで悩んでいる方々のインソールを作り続けている。以来、数多くのトップアスリート、モデル、俳優を顧客に持ち、育った環境から得た膨大な経験則から、インソールだけでなく、利用者の日常身体動作に対しての適確なアドバイスにも絶大な支持を得ている。
*本稿はラジオ出演「Cosme Kitchen ORGANIC CONCIERGE – J-wave」から森氏より
許可を得て引用・テキスト編集したものを解説付きで記事としたものです。