VOL.84

     土はおろか、木の根っこから汁を取り出し、市販の蜜蝋はおろか、蜂の巣から抽出作業をし、ミシンと手縫いで生産を全て一人で行っている狂気の歓喜。そして、それらを販売す...

VOL.83

    脚   我ながら、浅ましいと思われるほどの素早さで到着したダンボールのテープを、ベリベリと剥がしてその顔が、(脚が)ニョキッと出てきた時の鼻息がまだ余韻として残っている外は銀世界の昼下がり。人智を少し超えたところ...

VOL.82

    芸術家というのは、自分の内部を見凝める人であろう。私の知っているゲージツカは、自身の内部に宿る古い日本を見凝め、妖怪を産み出した。10年前に見たあの古い英文字の時と同じ香りに、全身が身震いした。    ...

VOL.80

     最初は、意気揚々と始めたのだけれど、予定していたように上手くいかなくて、段々とディスプレイにも力を入れなくなって、見た目にもこだわらなくなっていく。段々とやさぐれて行く。そして愚痴をこぼしはじめる。あのね、お客...

VOL.79

     知らぬうちに賞味期限切れのパワーを失ったものを使ってはいないだろうか、もしくは、パワー切れのものを買ったりしていないだろうか。いつも親しい友人たちに促している。...