「お父さん、クサい、、、」
世のお父さんを地獄に突き落とす娘の言葉。
その後、「洗濯物を一緒にしないで」「近寄らないで」と娘に避けられる日々が続きます。「パパと結婚する~」と抱き着いてきた、あの頃の笑顔を思い出しながら、枕を濡らすことでしょう。
お父さん、残念なお知らせです。
娘にクサいと避けられるのは、ある意味正しい現象です。
女性だけが持つ匂いを嗅ぎ分ける本能が、そうさせるのです。
女性は、自分と遺伝子の違う男性を無意識に探します。
それは、個人の体臭の違いを生み出すHLAと呼ばれる遺伝子を、女性は嗅ぎ分ける能力があるから。
HLAの型は、数百万以上のタイプがあると言われており、HLAの型が自分とは離れた人を求めることで、より強い子孫を残せるのです。そして、女性が男性のHLAの差を匂いで嗅ぎ分けられるという能力は、父親から受け継いだHLA 遺伝子に依存しています。
よって、父親から受け継いだHLA遺伝子をもとに、違うHLA遺伝子を嗅ぎ分る中で、より自分と遠いニオイに惹かれ、自分と近いニオイには拒絶反応をおこします。
将来できるだけ異なる遺伝子の男性の子供を産むために、似ている父は避けられるということ。
それは、成長した証です。
お父さん、クヨクヨせず、愛娘の成長を喜びましょう。
また一方で、真逆の研究もあります。
男性に2日間着続けてもらったTシャツを女性に嗅いでもらったところ「一生涯嗅いでも良いニオイ」として選ばれたのは、
女性が父親から受け継いだのと同じHLAの型を持った男性のものをの好む傾向にあったというもの。(Nature Genetics (2002))
自分と近いHLA遺伝子は、安心感や心地よさを感じるということなのでしょう。
お父さんのニオイは、必ずしも「嫌い!」と言われるわけではなく、「安心する~」と言われる可能性だってあるということです。
お父さんにも、希望の光が見えたところではありますが、最後にもう一つ調査結果を。
中高年の男性特有の「あぶらクサさ」は女性の89%、男性の75%が「不快」と答えたという結果があります。((株)マンダムの調査(2015))さらに20代の女性に限って言うと、100%が許せないという結果に。
汗臭は女性の方が、感度の高いニオイです。
男性が、それほど気にしていない、あるいは気づいていないくらいでも、女性にはキツいと感じる状況が起こりうるのです。
また、嗅覚は記憶を司るという特性上、一度「不快」と感じた感覚は、脳に強くインプットされてしまいます。
年頃の娘さんがいるお父さん。
遺伝的と言い訳する間もなく「オヤジ臭い!」と、愛娘に避けられる悲劇を生む前に
ニオイ対策を怠らないことが得策のようです。
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