言語の背景には、その国の国民性や価値観があると言われています。
例えば「香水をつける」という言葉。
英語だと、「wear perfume」
「wear」は、「(服を)着る」という意味と、「(香水を)つける」両方の意味があるということになります。毎日服を着ることが当たり前のように、香水をつけることが当たり前。また服と同様に、季節やTPOに合わせて身にまとうものとして考えられているのでしょう。
フランス語だと、「Je me Parfume」
香水を表すParfume自体が動詞になっています。
Parfum のフランス語における定義は、元来「染み入るもの」
香水の香りは、自分自身の肌にはもちろんの事、出会った人の脳裏や記憶に染み込んでいくもの。そんな、香水が持つ媚薬的な部分をフランス人は昔から感じていたのかもしれません。
また、表記や表現がたくさんあるということは、その言語圏で生活している人々の関心が、その対象に対して強いということがわかっています。
例えば「におい」という言葉。
におい、匂い、臭い、かおり、香り、薫り、、、
全て「嗅覚が、刺激されることによって起こる感覚」ではありますが、意味が微妙に違います。
嗅覚に関連する言葉を使い分けていたということは、日本人が昔からこのことに関心があった証なのでしょう。
「香水をつける」という行為を表現するときも
つける、(肌に)のせる、纏う、吹きかける、浴びる、、、
微妙に、シーンやその香水の特性が違うのではないでしょうか。
そして、それにプラスし、日本では「ふんわり」「軽く」「少しだけ」などの言葉も合わせて使われることも頻繁にあります。
香水をつけるという自己表現、自己満足の行為にさえも、周囲に細心の注意を払う謙虚さが表れているのかもしれません。
香りは、よく「言葉にできない感覚」と言われます。
しかし、言葉をよく紐解いてみると、日々の様々なシーンで使い分けを行い表現しているのです。
あなたは、今日、香水をつけましたか?のせましたか?纏いましたか?
2021年も、多くのシーンで香りを味方に。
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